2010年6月17日木曜日

鈴鹿300kmを振り返り



Photo:Koichi Ohtani


先ずは今回の鈴鹿300km参戦までの経緯を簡単に振り返ってみる。


ちょうど先週末の決勝から3週間前ぐらいにチーム監督から自分の携帯に連絡が入る。


「8耐のセカンドライダー候補が諸事情があって、鈴鹿300kmには出れそうにない」と・・。


ついては鈴鹿300kmのセカンドライダー(8耐は別)候補を別であたらなくてはならず、その中に自分が選ばれていると・・。



正直、嬉しかった。



でも、それ以上に不安の方が大きくのしかかってきた。


何故なら、8耐レベルのレースからは4年のブランクがあるのと同時に鈴鹿サーキット自体も4年のブランク、更には今回のレースマシンは190馬力を誇るリッタースーパースポーツという、気が引けるには十分な要素が揃っていたから。


要はビビっていたわけ。


だから「ハイ!やります」とか「やらせてください!」などとは即答できなかった。


そこでチーム監督に「完全ノーマル車両で構わないから、190馬力の設定でS1000RRを国際格式のレーシングコースで走らせてみたい」とお願いをした。


S1000RR自体はスクールや走行会などでショートサーキットでは何度か走行したことはあるが、190馬力の設定で広々した国際レーシングコースを全開で走らせたことはなく、実際にその走行である程度の目安(イケルのか、イケナイのか)が立てられると考えたから。


でっ、実際に5月28日(金)に190馬力仕様(専用プラグを差し込むだけで150馬力が190馬力に変貌する)のS1000RRに乗ったのだが、最初の30分の走行はコースインして2コーナーから3コーナーまでの直線で思わず笑ってしまう・・。


「こりゃダメだ」と。


あまりの強大なパワーに次のコーナーがワープするかのごとく急激に迫ってくる。


完全に目が追いついていけてない(笑)


最初は安全に30分を走りきる為にモードの設定を「スポーツ」にしているにも関わらず・・。


そうこうしているうちに30分の走行は”アッ”という間に過ぎ去り、終了・・。


タイムは2分8秒台ぐらいだったように思う。



与えられた時間は残り30分の走行のみ。


ここである程度の目論見が立たなければ辞退するしかない。



そして2回目の走行。


今度は「スポーツモード」で数周走り、次に「レースモード」、そして最後に「スリックモード/一番過激な設定」で走行する。


2回目の走行はいくらか目が慣れてきたのと、電子デバイスのフォローもあって、レースモードまでは幾らかマシに走らせることができるようになってきた。


途中、ピットインし、いよいよ最後のスリックモードでの走行となる。


レース車両はスリックモードの設定が基本になるので、今回の試走でも試しておかなければならない。(怖いけど・・)


恐る恐るスリックモードで走りはじめると、今までにない更に凶暴な性格を剥き出しにしてくる。


パワーの出方も今までとは違うし、コーナーリングスピードが遅いので、コーナー立ち上がりからフロントタイヤがフワ〜フワ〜と浮き上がってくる。(ちょっと〜もう少し優しくして〜イヤ〜ンっと心の中で思っても、コイツは全く容赦してくれない・・)


ダウンヒルのバックストレートも3速までパワーバンドに入るとフロントタイヤが浮いてくる。
(もう笑いを通り越してヒーハー状態・・)



そんなこんなでヒーハーしているうちに2本目の走行(30分)も終了。


何だか訳が分からないうちに全ての走行が終了してしまった・・。


タイムは2分4秒後半・・。



イケルのかイケナイのか判断に悩む微妙なタイム。


その後、チーム監督に連絡。


洗いざらいこの日の状況を報告するのと自身の心境も報告する。



とりあえず走らせれば分かると思ったけど、非常に微妙な感じ。


まだまだ不安要素の方が多いのが事実。


最終的には出る出ないの判断は自分に任せられることになり、土、日を挟んで結論を出すことになった。


土日の間、今回の走行のダメだしを自分なりにしてみる。


実際には2分4秒台しか出なかったけど、後30分走行した場合、どの程度タイムが詰められるのか。


何の根拠もないが、完全ノーマル(タイヤも)でもS1000RRの性能をもってすれば、乗る人が乗れば2分1秒〜2秒台は出せると思う。


仮想の中でそこまでタイムが詰められるか考えてみるが、やはり机上の空論・・思い切るようなところまでは中々いかない。



そして週があけて月曜日。


チーム監督に連絡をとる。


自分の中の答えは辞退が7割、参戦するが3割といった状態だった。


多分、週末にかけて監督も色々と考えているだろうから、最終的な判断はお互いのやりとりで明確になるだろうと考えた。



そして、電話がつながる。


「あの〜色々考えたのですが・・」と喋り始めると、監督が「とりあえず今回は齋藤でいくことにしたから」と一言。



自分の中で及び腰になっていた部分がスッと消え、スイッチが入った瞬間だった。



つづく